北村薫を読んだことはありますか?

昨日は北村薫の「八月の六日間」を読んで感じたことをお伝えしました。
北村薫はボクが一番好きな作家です。
他にもたくさん読んでいる作家はいます。
藤沢周平、横山秀夫、伊坂幸太郎、宮部みゆきあたりはだいぶ読みました。
しかし、読んでいてもっとも心が落ち着いていくのは北村薫なんです。

ゲストハウスで働いているとときどき本の話になり、
好きな作家について語ることがありましたが、
ボクの記憶にある限り、北村薫を知っている人はいませんでした。
決して無名な作家ではないのに。
直木賞最終候補に何度も選ばれた末に、2009年「鷺と雪」でようやく受賞。
「ターン」は牧瀬里穂主演で映画化され、テレビドラマ化されたものもいくつかあります。
小説に興味がない人ならいざ知らず、本好きの人でも知ってる人がいないのは意外でした。
知らない人が多いならぜひこれを機会に知ってほしい。

ボクが北村薫に出会ったのはおそらく「ターン」でしょう。
もう記憶が定かではありませんが、
たぶん映画を見て興味を持って本を手に取ったのでしょう。
主人公の女性がなぜか同じ日を毎日繰り返し、他に動いている人もいない世界で過ごすさまが描かれます。
これもおもしろかったのですが、ボクが北村薫にハマったのは間違いなく「スキップ」を読んだから。
これと「リセット」を含め時と人三部作と呼ばれていますが、「リセット」が出たのはボクが北村薫にハマってからだいぶ後。
「スキップ」を読まなければ、その後それほど北村薫を読むことはなかったかもしれません。

「スキップ」は17歳の女子高生がある日昼寝をしたら42歳になっていて高校の国語の教師で結婚もし17歳の娘もいるという世界に飛んでしまったという話。
主人公は戸惑いながらも自分が置かれた状況を受け入れ、42歳の自分を生き始めます。
そして、旦那さんや娘さんもやさしくサポートします。
主人公や周りのキャラクターに惹かれることも確かなのですが、
ボクにとって一番大きかったのは次の展開へのドキドキワクワクはもちろん、読んでいて心が落ち着いていくこと。
これは北村薫のほぼ全作品に通じることなのですが、
初期に「スキップ」と出会ったことによって他の作品も読みたい、という気持ちが強くなったのです。

その後、古本屋に行けば北村薫を探し、見つけた先から読んでいきました。
北村薫の代表作といわれるシリーズは間違いなくこれでしょう。

「空飛ぶ馬」に始まる「円紫さんと私」シリーズ。
「秋の花」「六の宮の姫君」「夜の蝉」「朝霧」「太宰治の辞書」と続きます。
「朝霧」で完結したかと思っていたシリーズに最新作が出ていたことをつい最近知りました。これも読まねば。
このシリーズは落語家の春桜亭円紫と主人公である「私」が普段の生活の中で出会う謎を解き明かしていく物語。
基本的にあまり人は死にません。
北村薫はミステリーの世界に「日常の謎」というジャンルを切り拓いたと言われていますが、このシリーズがあったからこそ、とボクは思います。

これも代表作と言えるシリーズ。
覆面作家であり世間知らずで二重人格のお嬢様と編集部に勤める岡部のバディもの。
NHKで『お嬢様は名探偵』というタイトルでともさかりえ主演でドラマ化されていますので、もしかしたら見たことある人もいるかも。
これはマンガみたいなノリで楽しく読みやすい。

そしてベッキーさんシリーズ。
昭和初期を舞台に、上流家庭のお嬢様・英子とその運転手・ベッキーさんを主人公に、殺人から素人が考えた暗号の解読など、様々な事件を扱います。
三作目の「鷺と雪」で直木賞受賞。
三作で完結してしまったのは残念。

これは1冊しか出ていませんが、シリーズと言いたい「巫弓彦シリーズ」
名探偵・巫弓彦の謎解きの物語を助手である姫宮あゆみの視点で描く。
ミステリーでありながら哀しくも切ない物語。
短編が三作収録されています。
これはぜひとも続編を出してほしいと熱望しています。

他にもシリーズになっていないものもたくさん。
エッセイやアンソロジーもたくさんあります。
ぜひ、アンテナにひっかかったもの、見かけたものから読んでほしい。
多くの人に北村薫の描く世界を知ってほしいと強く強く思います。

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