「しゃぼん玉」を読んで

最近、ちょっと読書モードになって小説を読んでいます。
先日は乃南アサの「しゃぼん玉」を読みました。
乃南アサは直木賞を取ったこともあり、時おりドラマや映画にもなるのですが、その割に知名度が低い。
ゲストハウスで働いているとたまに本トークになることがあるのですが、
まだ乃南アサで盛り上がったことがないのが残念。
「女刑事・音道貴子シリーズ」や「新米警官・高木聖大シリーズ」のように警察を舞台にしたものや「マエ持ち女二人組シリーズ」など元犯罪者を主人公にしたものが多いのですが、ボクは乃南アサは家族を描く作家だと思っています。

この「しゃぼん玉」もかよわい女性や老人を狙ってひったくりを繰り返す男子大学生が主人公ですが、
父親からも母親からも愛されずに育ち、自分自身に価値を感じていないという背景がああります。

そんな彼が偶然たどりついたのが宮崎県の椎葉村。
九州では平家の落人の里として知られた村です。

ボクは阿蘇に3年住んでいたことがありますが、その時も名前を聞くことはありました。
近隣の五ケ瀬や高千穂、日向や延岡には行ったことはありますが、ついぞ椎葉村には行かずに九州を去ってしまいました。
大分県と熊本県の県境の山あいにあり、何かのついででは行かない場所なんですよね。

この話はそんな村にたどりついた主人公が、超高齢化社会の村で過ごすうちに、村人のやさしさに触れながら生活するうちに心がほぐれていき、前向きになっていくというお話し。

と言ってしまうと非常に簡単なのですが実際、展開としては全く複雑ではありません。
家族の愛を感じずに育った主人公が村という大きな家族に包まれて、
帰ってくる場所を、自分の居場所を見つけるのです。

犯罪者が主人公ではありますが、これもまた家族を描いた話なのです。

ボクは読みながら主人公に感情移入しつつ、村人のやさしさを感じ、
主人公が前向きになっていく様子に、刺激を受けました。
そしてまた思ったのは、やり直すのに遅すぎることなんて決してないということ。
ボク自身、ガラスのメンタルで今まで何度も心折れてきましたが、
今はやりたいことを見つけ前向きに進めています。
今40歳ですが、まだまだいろんなことができると思っています。
この主人公なんて23歳ですからね。まだまだですよ。

この本は人生を変えるほど大げさなものではありませんが、
ちょっと凹んでいる人の心をほぐしてくれる本ではあります。

忙しい毎日を送っている時にちょっと一休み、みたいなお休みが取れた時にお試しあれ。
これから梅雨がやってきます。
せっかくの休みにどこにも行けないな、という時でもいいですね。
雨に濡れる窓ガラス越しの景色を時おり眺めながら。

梅雨の推薦図書の紹介でした。

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