物件に辿り着くまで その8

さあ、物件探しもいよいよ大詰め!
前回、ラストと言っちゃいましたが、書ききってみたらいつも通り
めちゃめちゃ長くなってしまったので4回に分割(笑)
というわけで、あと4回お楽しみください!

物件見学

物件見学当日、朝から「町家サロンピッピ」に集まってすぐ近くの物件へ。
杢創舎の社員の藤原さんが物件を見せてくれました。

もともと酒屋さんだった建物。
入口から入ると土間。
雨や雪の日も外からそのまま入って中でコートなどを脱ぐことができる。
一段高くなった和室やキッチン。
二階にも部屋がたくさん。
半地下もある。

素晴らしい建物でした。
しかし、大き過ぎる。

住宅を店舗などへの変更をしたことがない方はご存知ないかもしれませんが
現行の建築基準法では床面積100㎡以上の用途を変更する場合には手続きが必要で費用もかなりかかるのです。
※用途変更の基準が200㎡に改正された法律が2018年6月末に公布され、
2019年6月末までには施行される予定。

また、家賃も大きさに比例して高くなるのでボクに払える額になるとは思えない。
もし家賃が許容範囲だったとしてもキャパも大きくなるのでボク以外にもスタッフが必要になる。

などなどクリアすべき課題がたくさんありました。

なので杢創舎の澤口さん、藤原さんには
家賃次第で使える可能性はありますが、たぶん難しいですね、
というお話をしました。

物件見学終了後、
藤原さんがゲストハウスにもともと興味があるということだったので、
今までの経験やゲストハウス界の現状などをお話しし、
また鉈屋町の現状などのお話も聞きました。

藤原さんはもともとゲストハウスに興味があって、
社長の澤口さんのデスクにゲストハウス紹介本を黙って置くなど
前々から社長さんにゲストハウスの存在を知らせる工作をしていたそうです(笑)
そのおかげで澤口さんが吉田さんの声掛けに応じてボクの説明会に来てくれたのですから、
藤原さんにはホント感謝感謝です。

また、この日は「ぶちょうほの宿」「八藝舘」のオープン見学会だったので、
そちらにも顔を出し、明戸さんや及川さんともお話ししました。

今回の盛岡訪問はここで終わりました。

鉈屋町について考える

九州に戻った後、見せてもらった物件について
阿蘇び心代表じゃけんさんなどいろいろな人に話していきました。

非常に魅力的な物件がある。
でも、大き過ぎて、きっと家賃が高い。
そして、若干立地が良くない。

そう、この時まだボクは鉈屋町の立地についてネガティブな評価をしていたのです。
しかし、人に話すうちに、またよくよく調べているうちにそうでもないことに気づきました。

もともと肴町を中心とした希望エリアまでは盛岡駅からは歩くと30分前後かかり、
徒歩圏内ではありません。
しかし、バスセンターがあり(今は建物はないがターミナル機能はのこっている)、
非常に多くバスが走っていて、
盛岡駅からバス1本10分程度で来れるので十分と思っていました。
ただ、その中で鉈屋町まではバスの本数が少なくなり、バスセンターから歩くと10分程度かかるので希望エリアの中では一番アクセスが良くないと評価していました。
しかし、人に話すとそんなの五十歩百歩だと。

そう言われてみるとそうだな、と思い
周辺条件を見ていきました。
買い物できる店や飲食店は素泊まり宿にとっては非常に大きなポイントなのです。

まずスーパーですが、徒歩1分で地元の人たちに人気なローカルスーパーがある。
19時で閉まるものの、お惣菜が大人気で手作りのお弁当も作っている。
これはポイントが高い。
スーパーの向かいには酒屋さん。
8分歩くと24時まで開いている大きなスーパーがある。
そして、徒歩5分6分7分と3か所コンビニがある。(全部セブンイレブンですが)
十分です。

飲食店も徒歩5分以内に定食屋やレストラン、焙煎珈琲の喫茶店などが数軒ある。
これもちょっと少ないかなと当初は思っていましたが、
10分程度歩けば八幡、肴町まで行けるので飲食店はたくさんある。
盛岡中心部の繁華街までも徒歩15分~20分程度で行ける。
いいですよね?
阿蘇や太宰府に比べたら贅沢な話。

他のことも見ていくと、
まず大きいのが町家の残る通りであること。
湧き水が2か所。
平民宰相・原敬のお墓もある趣のあるお寺。
酒蔵もある。
徒歩10分程度のところに夜10時までやっている銭湯。
年間315日やっている朝市も銭湯の近くにある。
北上川も近い。

朝夕の散歩も楽しめるし、繁華街のようにごちゃごちゃしていない。
いい。
すごくいい!

というわけで鉈屋町への認識を改めて
見せてもらった物件が使えたらいいな、という思いを強めていきました。

そして、事態は2月にまた動き始めます。

動き出した歯車

2月になると杢創舎の澤口さんから早めに建物の持ち主である三田農林の社長の三田さんと話した方がいい、
という連絡をいただきました。
そうは言っても1月に帰ったばかりで3月頭に退職するボクがそんなに頻繁に盛岡に行くのは時間的にも金銭的にもかなり厳しい話。
スカイプなどでの会話ではダメかな、とも思いましたが、
実際に顔を合わせてお話しした方がいいのは当たり前の話。

澤口さんに三田さんの都合のいい日を聞いてもらったところ、
2月中旬に時間が取れる日があるとのこと。

悩みに悩みましたが、タイミングがいいことにボクは2月の中旬に
長崎のランタンフェスティバルを見に行くために連休をもらっていたのです。
澤口さんから連絡が来始めたのが長崎に行く予定の1週間前くらいから。

ああ、これはボクに岩手に行け、ということなんだな。
と思って阿蘇び心代表じゃけんさんに報告。

というわけで長崎行きをキャンセルして再び盛岡に行ったのでした。

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