なぜ「泊まれるたまり場」をやりたいのか?

ボクは九州にあるゲストハウス阿蘇び心で5年働いていました。
阿蘇店、熊本店、太宰府店と3店舗で働く機会がありました。
そして、全国のゲストハウスもたくさん泊まり歩きました。

その中でボクが一番感じたゲストハウスの魅力とは
「人との出会いや交流」
でした。

談話室、居間、バーなどの共有スペース、
その宿によって場所は違えど、
楽しいのは普段の生活では出会えない方々と空間を共有し、
いろんな話題について語り合うこと。
そこでは新たな視点や考え方に出会って、自分の価値観や哲学に影響したり、
自分と同じ趣味嗜好の方と出会い意気投合して、翌日一緒に出かけたり、
なんてことが起こります。

実際ボクも、前日に出会ったばかりの人とレンタカーを借りて一緒に出かけたり、
登山に行ったりしたことがあります。
これ、1回経験するとメチャメチャ楽しいんですよね。

予定を決めているとなかなか難しいですが、
ノープランで旅に出た時にゲストハウスで良い出会いがあると
思わぬ方向に旅が転がって行って予想外の経験ができることがあります。

また、肌の合うオーナーさんやスタッフさんがいると
また会いに行きたくなるんです。
まるで友達や親戚の家に遊びに行くような感覚で行ける場所があると
リラックスしたり、リフレッシュするには最高です。
ボクも九州にいた時はノープランの休みができると必ず遊びに行ってたゲストハウスがあります。
そこに行った後は、またここに休みに来るために仕事頑張ろう、という気持ちになるのです。

こんな経験を宿泊するゲストさんだけが経験するのではもったいない。
ボクは宿に泊まらない地元の方にもこんな経験をしてほしいと思うのです。

それに、今まで宿泊したゲストさんから
「地元の人と話したい」という声をたくさん聞きました。
これは日本人、外国人の両方から。
でも、ゲストハウスの建物や空間が閉じられたものだと地元の人にとっては入りにくい。

なので、ボクは始めから宿泊するだけの場所ではなく、
地元の方が通える空間にしたいと思ったのです。
それを実現する場としての「泊まれるたまり場」というわけです。


そんなことをモヤモヤとイメージしながら、
3月に阿蘇び心を退職後に約1ヶ月かけて陸路、車で岩手まで戻ったのですが、
その旅の中で、今まで阿蘇び心で出会ったゲストさんと再会したり、
阿蘇び心で出会った方が開いたゲストハウスに泊まったりしました。
また、全く関係のない宿に泊まることもありました。

その間に何が楽しかったかというと、
やはり、「人と語り合った時間」でした。

そして、たくさんの人と語り合う中で自分の頭の中が整理されていきました。
ボクは「人が泊まる場所」を作りたいわけではなく、
「人が集まる場所」を作りたいのだと。

今のボクの考えは、
「人が集まる場所に泊まれる機能が付いている」
という感覚です。

なので「たまれる宿」ではなく「泊まれるたまり場」なのです。

宿なので、もちろん観光目的の旅行客や日本一周など長期旅の旅人も来ます。
また、休みの日に気分転換に来る人もいるでしょう。
そこに地元の方も仕事が終わった後や休みの日にフラッと来てほしいのです。

そこでいろんなことについて語り合い、
楽しい時間と空間を共有してもらいたい。
そうすれば、きっと明日が楽しみになると思うんです。

「明日、あそこに出かけよう」
「明日から、あれを始めよう」
「あの本読んでみよう」
「今年の夏はあの人と一緒にあそこに行きたい」

そんなことを思ってほしいのです。
今を楽しむことももちろん大事なのですが、
ボクは、みんなに明日が楽しみになってほしいのです。

明日を未来を楽しみにしながら眠りにつけたら幸せだと思いませんか?
ボクはたくさんの人にそうなってほしい。
その思いを実現する場が「泊まれるたまり場」なのです。

そして、そのとき想像した明日をぜひ実現してほしい。
きっと楽しい未来になることでしょう。

一日一日に集まる人はそんなにたくさんでなくてもかまいません。
でも、「あそこに行けば誰かに会える」と思う人たちにはたくさんいてほしい。
そして、誰かに会いたい、と思った時に来てもらえる、
「泊まれるたまり場」はそんな場所にしたいと思っています。

そしてできるならば、これを読んでいるあなたにも「誰かが会いたいと思う誰か」になってほしい。
そう思っています。

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