ゲストハウスのイメージと実際

「泊まれるたまり場」には今までゲストハウスに行ったことのない人にも来てほしいと思っています。
むしろ、はじめの一歩として来てほしい。

ここ数年、メディアに取り上げられる機会が増え、
ゲストハウスに行ったことのない皆さんにも様々なイメージができていると思います。

今回から数回に分けて、皆さんが持っているであろうイメージと
実際のギャップを埋めてみようと思いました。

ゲストハウスとは?

イメージを語る前に、まず「ゲストハウスとは何なのか?」
を説明したいと思います。

正確に言えば、ゲストハウスには定義はありません。
ゲストハウスを定義した法律がないのです。

少し細かく言えば、旅館業法の中で
「ホテル」「旅館」「簡易宿所」「下宿」と4つあるくくりの中の
「簡易宿所」の営業許可を得て営業している中に多くのゲストハウスは入っています。
「簡易宿所」には民宿やカプセルホテルの多くも含まれています。

表現があいまいなのは、これは建物に対する営業許可なので、
営業許可と実際の名称が違うこともあります。
「ホテル」「旅館」「下宿」の許可を取っている建物で”ゲストハウス”を名乗っても全く問題ありません。

ですから、運営者が「ここはゲストハウスです」
と言ってしまえば、実態がどうあれ、そこはゲストハウスなのです。
「私はフリーライターです」と言った時からフリーライターを名乗れるようなものなのです。

まあ、そう言ってしまっては話が終わってしまうので、
次に多くの人が持っている共通項をまとめてみます。

いわゆるゲストハウスとは?

一般的に今、日本でゲストハウスと呼ばれている施設の共通項は
〇料金がホテルや旅館に比べて安い
〇ドミトリー(相部屋)を備えていることが多い
〇談話室、トイレ、洗面所、シャワー、キッチンといったものが共用

簡単に言ってしまえば、共通しているのはこれくらいのところ。
他のイメージや特徴に関してはそれぞれの宿のスタイルによって千差万別。

というわけで、次は皆さんが持っているであろうイメージを見ていきましょう。
これにはボクは情報発信に使っているfacebookページ「ボクの細道」のフォロワーさんにも協力いただきました。

ゲストハウスのイメージ

〇バックパッカーだけが泊まるところ
〇外国人しか泊まれない
〇一人旅の人が泊まるところ
〇お金があまりない人が泊まる
〇日本一周中の人が泊まる
〇雑魚寝

ネガティブなイメージについては別にまとめたので次回お伝えします。

どんな人が泊まるの?

今までゲストハウスに泊まったことのない多くの方と話して感じるのは
興味よりも「自分が行く場所ではない」という
自分の住む世界とは別世界かのような感覚を持っているということ。

それは、ボクが「ゲストハウスで働いてるんです」とか
「盛岡でゲストハウスを開くんです」と言うと

「ゲストハウスって外国人多いんでしょう?」とか
「バックパッカーが泊まるところ?」
という声が多いことから感じます。

これは暗に
「日本人はあまりいないんでしょう?」
「バックパッカーじゃない人は泊まらないんでしょう?」
と言っているように感じます。

しかし、実際のところゲストハウスにはいろんな方が泊まりに来ます。
ここ数年、アプリで宿泊予約をすることが増えて、
さらにその流れは加速しています。

もちろん外国の方も多く泊まりに来ます。
しかし、それに負けないくらい、場所によってはほぼ日本人しかいないゲストハウスもあります。

バックパッカーは?
ヨーロッパ系の長旅の方はバックパックを担いでいる方が多いですが、
アジア系の方を中心に大きなスーツケースをゴロゴロしている方がむしろ多いです。

一人旅?
日本一周中の方も含め、旅好きの方は一人旅が多いのでもちろん多いですが、
友達と数人で来る方、子どもと一緒の家族連れ、
年配の方のグループ旅行、自転車サークルの大学生、
出張のサラリーマン、ライブを見に行く方々、
卒業旅行で来る方もいますし、中には新婚旅行の方もいらっしゃいます。

年齢も小学生から70代、80代の方も来ます。
むしろユースホステルや山小屋に泊まった上の世代の皆さんの方がゲストハウスを抵抗なく利用しているかも。

交通手段も車、バイク、自転車、徒歩、公共交通機関とあらゆる手段で皆さんいらっしゃいます。

つまり、ゲストハウスとは、基本的には誰でも泊まれるところなのです。


中には女性専用や年齢で区切っているところもあります。
下は小学生以上のところが多いかな。
それは小さく普通の家を使っているところでは防音ができないから、
という理由が多いですね。
小さい子連れの方もたまたま同宿になった方もお互いに気を遣ってしまうのを防ぐためです。

どんな部屋?

「プライベートがない」「雑魚寝」というイメージも持たれているようです。

プライベートを求める方はそもそもビジネスホテルなどの方が向いているとは思いますが、
交流はしたい、ゲストハウスに泊まってみたい、
でも夜は一人で寝たい、同行の人だけの部屋がほしい、
という方もいると思います。

そういう方でも大丈夫です。
多くのゲストハウスでは個室(2~4名程度の部屋)を用意しています。
でも防音は期待しないでください。
隣の部屋に会話はほぼ丸聞こえになることが多いです。
夜22時以降は静かにした方がいいですね。
また、寝る部屋が個別なだけで、トイレなどは共用です。
ゲストハウスでは、寝室は寝るだけの部屋と割り切った方が良いかと思います。
良い部分は他にあるので。

多くのゲストハウスではドミトリー(相部屋)がありますね。
宿によって和室と洋室があります。
洋室が多くの方がイメージする二段ベッドが並ぶ部屋ですね。
和室は1セットずつ布団が置かれています。
どちらもシーツや枕カバー、寒い時には毛布も標準セットです。
いずれにせよ山小屋のようなギュウギュウ詰めの雑魚寝になることはありません。

2段ベッドの場合にはカーテンで仕切ることができたり、
和室でも衝立を置いて隣の人の顔を見ずに寝ることができるように各宿で工夫をしています。

終わりに

不安なイメージに対する実際や楽しみ方については別にまとめようとしたので、
今回はあまり深堀りしませんでした。
次回以降をお楽しみに!

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